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オムニチャネル:成功の鍵を握る物流に求められる機能

【Logistics Trend】オムニチャネル:成功の鍵を握る物流に求められる機能

前回は、オムニチャネルの概要と、その実行における物流・サプライチェーンが直面する困難について述べました。では、オムニチャネルの実現のために、物流・サプライチェーンには、どのような機能が求められているのでしょうか。

1.販売情報のシームレス化

オムニチャネルでは、多様なチャネルを通じて商品の販売が行われますが、このときの販売情報は、チャネル間で横断的に利用されます。
それは、物流も「チャネル間をシームレスに渡り歩く」ことが必要であり、そのためには不可欠な情報だからです。
例えば、商品注文が後日キャンセルされた場合、その商品の出荷進捗状況を確認し、出荷を取り消さなければなりません。
このとき、受注情報の保有が各チャネルで完結し、物流側へ迅速に展開されなければ、本来必要のない出荷や返品業務が発生してしまうでしょう。

2.商品とコンテンツの供給

オムニチャネルでは、同じ商品であっても、販売チャネルの特性に適合した形で商品情報を掲載することが重要です。それらの中には物流に関する情報も含まれるため、これまで以上に、物流も商品情報の作成や分類に関わる必要が生じてきます。
とりわけ、在庫、納期、輸送手段やコストに関わる情報は、重要度が高いため、販売情報とシームレスに繋がる必要があります。
こうした動きは、インターネット上で店頭在庫を確認するサービスや、取り置き指定サービスとして、一部の小売事業者の間で、徐々に始まっています。

3.フルフィルメント

これまで実店舗が保有していたバックヤード機能や、チャネル毎に分立していたサプライチェーンに伴うバックオフィス機能の大部分は、オムニチャネルの効果を最大化するために再編・移管・集約され、フルフィルメント業務として1つになりつつあります。
同じ商品であっても、商品ライフサイクルの進行とともに、ある時は店舗で、ある時はネットで、またある時はテレビ通販で、と様々なチャネルで販売されるようになっていますが、フルフィルメント業務はこうしたチャネル変化にも柔軟に対応することが求められます。

4. ラストワンマイル輸送

商品は、消費者自身が足を運んで受け取りに行くのでなければ、他の手段で消費者の元まで輸送しなければならず、現在、そのもっとも一般的な手段が宅配便となっています。
宅配便の取り扱い数は増加の一途を辿っており、ネット通販の拡大がこうした傾向にさらに拍車をかけています(グラフ)。
しかし、ドライバー不足の問題や、取り扱い数の2割が再配達といわれるように、宅配便が決して最適な輸送手段であるとはいえないのが現状です。近年、こうした課題に対して、GPSを利用した配送車両情報の公開や、コンビニ・ロッカーといった受け取り拠点設置などの取り組みがなされています。
このように、商品の消費の場が多様化されたことで、物流におけるラストワンマイルの終着点も、多様化されてきています。
しかし、これらの取組みは特定の地域に限定されたサービスであるため、それ以外の地域におけるラストワンマイルの効率と品質を向上させるためには、あらゆるローカル機能と物流情報を共有することが重要な課題となるでしょう。

共通していえることは、物流過程で取り扱われる情報の中には、今後オムニチャネルを支える上で有益な情報が含まれており、企業内だけでなく消費者へも開示する事が求められているということです。商品情報とそれに紐付けられる物流情報を、いかにして物流サービス・コストの最適化につなげていくか。
この期待に応えることがオムニチャネルの物流に求められています。

グラフ:宅配便取扱個数の推移
出典:国土交通省
平成26年度宅配便取扱実績関連資料

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この記事の著者

◆出身地:大阪府岸和田市 ◆血液型:A 型 ◆趣味:旅行、音楽鑑賞、料理
2003 年 同志社大学文学部 卒業
【得意分野】 ・物流戦略策定 ・輸送ネットワーク再構築 ・物流現場改善支援

近年は弊社にもグローバル化の波が訪れており、国際物流に関する調査が増えつつあります。従業員に対しても社長の号令があり、私を含む若手社員が英会話教室を受講しています。昔と違い、最近は教室に通わなくても、24 時間、ネット上で授業を受けられるサービスがあり便利です。英語の学習としては少し物足りないのかもしれませんが、1日約 30 分間、英語で会話することは、「ちょっとした言い回しを忘れないようにする」「英会話に慣れておく」といった用途にはちょうどいいのではないかと思っています。
とはいえ、最近は、日々の業務の忙しさにかまけ、サボり気味になってしまっているのですが…。社長に叱られる前にねじを巻き直したいと思います。

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