【Trend Report】Amazon Go ストア訪問記
2018年4月、アメリカ・シアトルにあるAmazon Goに行って参りました。既にニュース等を通してご存知の方も多いかと思いますが、まず簡単にAmazon Goについてご紹介したいと思います。
店頭に立つ筆者
Amazon GoはAmazon.com社が今年1月にオープンした“レジのない無人店舗”です。レジのない無人店舗において、商品購入までの流れはどのようになっているかというと、まずスマートフォンでAmazon Goのアプリをダウンロードし、必要情報を登録して入場時に使用するQRコードを取得。入場時に、このQRコードを入口の改札機のようなゲートでかざします。入店後は購入したい商品を手に取り(商品を詰めるバックもあり無料で貰える)、商品を全て取り終えたらそのまま出口から出て買い物終了となります。レジで待つという従来の有人店舗でのストレスがなくなり、スムーズに買い物ができるため、非常に画期的な店舗だと思いました。
さて、今回筆者はただショッピングを楽しむだけではなく、この店舗がどのような仕組みで動いているのか知りたいと思い、周りのお客さんや監視カメラの目を気にしながら身を以って色々と検証してきましたので報告します。
まず、いの一番に気になったのが、商品の購入者がどのように識別・判断されているかです。訪問前の段階では、出口を出るタイミングで、購入者の持っているスマートフォンと購入予定の商品が何かしらの手段で読み取られ紐付けられているのではないかと予想していました。そこで、筆者が棚から取った商品を一緒に行った同僚に渡し、時間差で順番に出口を出てみました。すると、筆者のアカウントにチャージされていました。つまり、出口を出るタイミングではなく、商品を取ったタイミングで購入者が判断されチャージされていたのです。
それにしても、商品を取ったタイミングでどのように判断しているのかと思い、よくよく天井を見てみると無数のセンサーカメラが張り巡らされていました。恐らくこれらのカメラが、商品と商品を取った人を、持っているスマートフォンを通じてトラッキングして判断しているのではないかと考えました。
そこで、次に再び入場して先程の同僚と筆者のスマートフォンを交換し、各々商品を取って出口を出ました。すると、筆者の取った商品は筆者のスマートフォンにチャージされていました。つまり、先程のセンサーカメラはスマートフォンを通じて人をトラッキングしているのではなく、人を判別して人(購入者)と商品を紐付けていることが分かりました。
また、どのスマートフォンにチャージするかについても、入場の際のQRコードをかざすタイミングでスマートフォンと人を紐付けていると思われます。
ここで整理すると、入場時に改札機とセンサーカメラを通して人とスマートフォンが紐付けられ、その後センサーカメラが人をトラッキング、その人が取った商品は入場時に改札機にかざしたスマートフォンにチャージされるという仕組みになっていると考えられます。
試しに入場後電源を切った状態でも一連の流れを行いましたが、筆者のアカウントにチャージされました。
精算結果がスマートフォンに表示されるまで、店舗を出てから約15分程度掛かる等の課題はありますが、今回の訪問でAmazon社の解析技術やアイデアには大変驚かされました。
チャージ画面