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トラックドライバーの外国人労働者の受け入れ

トラックドライバーの外国人労働者の受け入れ

出入国管理及び難民認定法に基づき、自動車運送業分野における特定技能の在留資格に係る制度の方針注1)とその運用要領注2が令和6年4月に定められました。
これにより、介護、建設や農業などの12分野に加えて、トラック、バス、ハイタク業界にも、いわゆる外国人労働者を受け入れることが可能になりました。外国人労働者の受け入れ環境が整っていくことで、現在生じている深刻な人手不足の問題が少しでも解消できる可能性が高まることになります。

ここでは、貨物自動車運送事業に関する内容を紹介します。

外国人労働者の技能水準や日本語の能力水準など

求められる技術水準

トラックについては「自動車運送業分野特定技能1号評価試験(トラック)」(以下、評価試験。)の合格が必要です。評価試験は、運行管理者等の指導・監督の下、貨物自動車運送事業における運行前後の点検、安全な運行、乗務記録の作成や荷崩れを起こさない貨物の積付け等ができるレベルであることを確認するものです。そして、国内で評価試験が行われる場合は、在留資格を持っている者に限り、受験資格が認められます。
なお、試験は日本語で行われます。

日本語の能力水準

トラック運送業で働くので、次のようなテストなどで日本語の読み書きについて合格する必要があります。
・「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」
・そのほか、日本語教育の参照枠のA2相当以上の水準と認められるもの注3

下記の試験に合格した者については、①トラックの運転、②運転に付随する業務全般において、必要な日本語能力水準を満たすものと評価されます。

国際交流基金日本語基礎テスト

この試験は、外国人労働者の受入れに必要となる基本的な日本語能力水準を判定するために国際交流基金が開発・実施する試験です。これに合格した者については、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有するものと認められますので、基本的な日本語能力水準を持っているものと評価されます。

日本語能力試験

この試験でN4以上に合格した者は、「基本的な日本語を理解することができる」と認定されますので、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有するものと認められます。

運転免許の取得

トラック運送業のドライバーとして働くので、各都道府県公安委員会が行う「第一種運転免許」の試験(いわゆる外免切替制度を含む。)に合格・取得していなければなりません。

上記の「求められる技術水準」と「日本語の能力水準」の試験に合格し、かつ、第一種運転免許を取得した者は、①トラックの運転、②運転に付随する業務全般において、一定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有するものと認められることになります。

在留期間

トラックの在留資格は1年を超えない範囲(特定技能1号)注4になりますが、トラックの業務を行うためには、運転免許の取得や新任運転者研修の受講のため、一定期間我が国での在留が必要となります。そのため、運転免許の取得や新任運転者研修の受講以外の要件を満たした者については、受入れ機関との雇用契約の下、在留資格「特定活動」による入国・在留が認められます(在留期間の上限は6月)。
なお、当該在留資格をもって在留する期間は、「特定技能1号」の在留資格をもって在留する通算在留期間に算入されません。
また、当該在留資格による在留中には、上記の手続等のほか、受入れ機関における車両の清掃といった関連作業に従事することが認められています。

貨物自動車運送事業者の受け入れについて

事業用トラックの運行管理が適切になされない場合、事故等に至るおそれがあること、また、運転者の労務管理が適切になされない場合、過重労働を招くおそれがあること等の特性があります。これらを踏まえて、自動車運送事業者による適正な外国人の受入れを維持するためにも、特定技能所属機関(自動車運送事業者)に対しては、

・「運転者職場環境良好度認証制度注5の認証の取得((一財)日本海事協会)
・全国貨物自動車運送適正化事業実施機関が認定する安全性優良事業所注6((公社)全日本トラック協会)

のいずれかの保有が必要です。
また、当然のことながら、法令で定められた初任運転者に対する特別な指導注7を行わなければなりません。

(この記事は2024年06月10日の情報をもとに執筆しました。)

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