【Interview】倉庫作業分析ツール“ろじたん”導入現場に聞いてみました
今回は、当社で開発・サービス提供している倉庫作業分析ツール“ろじたん”について、導入していただいている日本通運㈱航空事業支店国際貨物第三営業部原木インターナショナルロジスティクスタウンの方々にお話しを伺ってきましたので、その様子をお伝えいたします。
さっそくですが、こちらの倉庫での業務内容を教えてください。
はい、こちらではアパレル商品から音響機器、半導体部品、コンタクトレンズといった、あらゆる商材を取り扱っており、倉庫全体でのスタッフが300人にも及ぶ大型倉庫です。貨物の荷受け・入庫作業に始まり、流通加工・出荷に伴うピッキング・梱包・発送付帯作業までの一連の庫内オペレーション業務を請け負っています。ひときわ流れの速いアパレル商品においては、迅速かついかに付加価値の高いサービスを提供できるかということを大切にしています。
なぜ“ろじたん”を導入することになったのですか。
さまざまなお客様がいらっしゃるなかで、特にお付き合いの長いお客様については、作業に習熟している反面、現行の作業方法がスタッフの間で当たり前になってしまい、作業フローの見直しを積極的に行ってきませんでした。その結果、ムダな工程を省いたり、業務効率を上げるために新たな工夫、取組をする意識が低下しがちになっていました。
そこで、「このままではいけない。業務の見直しが必要だ!」と思い、“ろじたん”の導入を決めました。
“ろじたん”を選んだ理由は?
まずは日頃の作業を見直し、「なくせる要素がないかどうか」「サービス対価に見合った人員配置になっているか」といった点についての検証が必要と考えました。そのためには、まずスタッフがどの作業にどれだけの時間を要しているか、正確に把握する必要があります。
これまでも紙に記入した日報をデータ化し、集計する方式での管理は行っていたのですが、1日の業務終了後に思い出しながら記入するため、曖昧で精度に欠けたデータとなっていました。そのうえ、スタッフ全員が書いた膨大な量の日報をデータ入力する作業にも時間を要していました。「“かんたん”に作業計測ができる“ろじたん”であれば、これらの問題を解決することができるのではないか」と考え、導入に踏み切りました。
本当に操作が簡単で、日々の業務に支障を来さないというところが、導入を決めた大きな理由のひとつです。「ボタンを押すだけ」という単純作業だったためか、スタッフの方々に抵抗なく受け入れてもらうことができました。作業しながらその場でスマートフォンのボタンを押す仕組みなので、データは正確かつ自動で集計してくれます。1日の業務終了時には集計済みの作業時間をあっという間に確認できました。
“ろじたん”を導入してみて、どのような効果がありましたか。
すぐに結果を見ることができるので、「残業が多かった」「どの作業工程に時間がかかっていた」という情報をタイムリーに把握することができます。
また、スタッフ一人ひとりのタイムテーブルや作業別時間グラフ作成ツールもあり、あらゆる角度から分析ができるため、全体的な労働時間のボトルネックをすぐに捉えることができました。
例えば「出荷作業のなかでもピッキングに時間がかかっていた」というように、細かくチェックができるので、作業工程の問題を特定しやすかったです。
“ろじたん”を導入してから、新たな発見はありましたか。
現場にいながら見えていなかった部分があることに気づきました。日々の作業ボリュームの変動により、1ピースあたりの処理時間に大きくバラつきがあったり、ひとつの作業における適正人員の数を実際より多く見積もっていたりしました。今回、“ろじたん”で実態を掴むことができたので、これからはシフトの入れ替えや、業務の切り上げ時間を早めるなど、工夫をしながらコスト削減へつなげていきたいと思います。
写真:今回インタビューにご協力いただいた
(左から)梅澤課長・山領次長・佐藤課長
また、“ろじたん”で取得したデータを基に、現場で作業ごとの目標KPIを設定するようになりました。KPIが達成できていない場合は、その理由についてスタッフ達と検証しています。
このように具体的な数値を持って話し合いの場を設けることによって、「レイアウトを変え動線を見直してみよう」「もっとこの備品は増やした方がやりやすいのでは」など、スタッフから改善に向けた意見が活発に出てくるようになりました。現場の意見の吸い上げ、改善意識の向上という点においても“ろじたん”は有効と感じました。
今後もデータを上手く活用しながらサービス向上に努めたいと思います。